知る・学ぶ/コラムただのコラボで終わらない仕掛けの数々 「コアラのマーチ×フランク ミュラー」の企画書

駅広告

2024.03.12

子どもの頃にコアラのマーチを買ったことのある、30代以上の離反層に向けたリトライアル。

CHECK 実現した企画はこちら!ロッテ「コアラのマーチ」

OOH

東京メトロ銀座駅に掲出した交通広告。アイコニックなビザン数字を大きく展開し、思わず写真に収めたくなる仕様に。

パッケージ

コラボレーションの限定パッケージも展開。ビザン数字のカラーバリエーションを複数展開することで、売場で目立つデザインに仕上げた。

“ただのコラボで終わらない”仕掛けで離反層に喚起「コアラのマーチ×フランク ミュラー」コラボ

ロッテは今年3月、ロングセラーブランド「コアラのマーチ」が、スイスの腕時計ブランド「フランク ミュラー」とコラボレーションすることを発表。コラボを記念して、銀座駅には、アイコニックな「コアラのマーチくん」のグラフィック広告が期間限定で登場した。

1984年の発売開始以来、多くの消費者に愛されてきた同ブランド。しかし、子どもの時には食べていたものの、幾度か離反する消費者が多いことが課題となっていた。

そんな現状を打破すべく、ブランドパーパス「親子の時間をもっと楽しく」を体現したコラボプロモーションを開始。ただのコラボレーションでは購買意欲を喚起できないと考え、食前から食後まで楽しめる点に焦点を置いた。食後はパッケージを工作すると、時計に変身するといった遊び心を感じる演出を仕掛けた。

異例のコラボレーションに、反響も大きい。発表後、Twitterでは「#コアラのマーチ」のツイート数が前年比140%に。さらに、コラボ時の同ブランド購入者のうち、約4割弱が過去1年間にコアラのマーチを購入していないノンユーザーと、新規顧客獲得にもつながっているそうだ。

ロッテ「コアラのマーチ フランク ミュラー コラボ」の企画書/ロッテ

Talk 01
「子どもの時は食べていたけど、中学・高校生になったら食べなくなった」「子どもが小さい頃は一緒に食べていたけど、子どもの成長と共に食べなくなった」など、アンケートの結果からコアラのマーチには2度の離反のタイミングが、わかっています。特に、チョコカテゴリーにおける販売構成比の高い、30代以上の層にブランドリトライアルを喚起する企画が必要です。

Talk 02
離反層のリトライアルを喚起するため、ただ単に「おとな向けのフレーバーを発売する」という企画はコアラのマーチが掲げるブランドパーパスに反するため、「親子の時間をもっと楽しくする」といったブランドパーパスに沿った企画であることが重要です。「こども」も「おとな」もブランドを通じて、楽しいひと時をすごせることこそがキーポイントになります。

 

※本記事は月刊『販促会議』2023年8月号に掲載されたものです。

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