知る・学ぶ/コラムJR東日本│全長100メートルの映像体験空間で、映画『ブルーピリオド』とコラボ

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2024.10.04

JR東日本㈱は8月1日、上野駅改札内13番線ホームに、映像投影できる機能を備えた全長約100メートルの映像体験空間「PLATFORM13」を全面開業した。

この媒体はJR東日本の掲げるプロジェクト『Beyond Stations構想』の一環である「イマーシブなメディア空間」として、昨年6月ごろ概要を発表。今年1月24日には「上野広小路口ビジョン」の設置と共に、改札側25メートルが一部先行開業していた。

 媒体サイズは高さ2.4メートル、全長約100メートル(面積約240平方メートル)。頭上には同じく約100メートルのピクチャーレールを整備している。スクリーンは17分割、それに対応する17台の投影機・音響設備が配置し、これらは全長全てを一つの画面として使用することも、分割して別々の映像を流す使い方も自由にできる。
 柱にはポスターなどを貼ることが可能。空間を彩る照明を上下に配置し、あらかじめ設定された様々な色から選択する形で変更が可能。

全体開業を記念する第1弾の企画として、実写映画『ブルーピリオド』とのコラボが8月1日から25日まで開催された。
 プロジェクターは午前8時~午後9時半まで。①予告映像 ②メイキングPV ③劇中に登場する絵画の展示 ④動くインスタ映えスポット ⑤キャスト陣がスイカ割に挑む特別映像―がルーチンで投影されている。
 ⑤はこの媒体のために撮り下ろしたオリジナル映像。主要キャストがスクリーンの端から端までスイカを運ぶ様子を、自分の足で実際に追従して鑑賞する〝体験型コンテンツ〟に近い。またホーム一帯は作品のテーマ色である青のライトで照らされ、イマーシブ=没入感ある空間作りへの注力がうかがえた。

 このコラボは柱巻き広告やフラッグ掲出、フォトスポットの設置、スタンプラリーを巡り、さらに商品購入の特典としてノベルティを配付するキャンペーンを展開し、「PLATFORM13」だけではなく上野駅全体をジャックした。
 「『ブルーピリオド』は、東京藝術大学(以下、藝大)受験に臨む高校生たちの群像劇であり、今回は現役藝大生が作中キャラを演じる俳優たちを鉛筆デッサンで描いたコラボアートも設置し注目を集めている。上野を所在地とする藝大と連携しながら、「PLATFORM13」で上野らしい作品・上野らしいアート空間を作ることができたと思う」。(担当者)

 「PLATFORM13」は、3月時点ではアート空間としての利用を主眼におき、広告媒体としての利用は未定だったが、今後は新商品紹介や企業ブランディングなどのスペースとして活用されることが期待される。

 

※本記事は『総合報道』2024年9月5日・15日合併号に掲載されたものです

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