事例コラム 「CD聴こうよ。」Mrs. GREEN APPLEが仕掛けた10周年CDリリース記念の交通広告キャンペーン
屋外広告電車広告
2025.11.17
ユニバーサルミュージック(合)(UML、本社東京、藤倉尚社長)は、6月末から7月中旬の期間、Mrs. GREEN APPLE(以下、ミセス)のアニバーサリーベストアルバム「10」のリリースを記念した「CD聴こうよ。」キャンペーンの一環として、屋外・交通広告を多数掲出した。
広告展開は、渋谷のQFRONTSHEETおよびQ2ポイントのラッピングや、メンバーの名前にちなんで「JR大森駅」に大森元貴さん、「土佐くろしお鉄道 若井駅」に若井滉斗さん、「JR藤沢駅」に藤澤涼架さんの交通広告などが掲出された。「土佐くろしお鉄道 若井駅」には若井さんが現地へおもむきサインを入れたことが話題になり、ファンの聖地巡礼につながった。
JR山手線ではアドトレインも走行。車内モニターでは、メンバーがCDの楽しみ方をユーモアたっぷりに解説する映像を放映した。
また、車内の中づり広告ではCDをカバーから取り出したようなクリエイティブに、イラストレーター・田中圭一さんが描き下ろしたミセスメンバーのイラストが添えられた。
この中づりのCDの変形部分は、モノであることを強調できるように光沢のある印刷を施し、グループ名にちなんで「ミセスB」という紙を使用するなど、こだわりをもって制作されている。
「みんながCDを聴いていた平成のあの雰囲気を、ミセスらしく表現したいと話し合った。ある人には懐かしく、ある人には新鮮……そんな感覚を作るため、なるべく分かりやすく楽しい表現を目指した。中づりに書かれた『CDの素敵なところ』のコピーは3人からうかがった話をもとにしている」。(担当者)


キャンペーンはミセスの大森さんが、2年ぶりのCDリリースに際して「CDである意味」「CDを聴いてもらうこと」を主眼に置いて同社に企画立案したところから始まった。同社もまたサブスクリプションで結果を残しているミセスだからこそ、CD本来の価値を改めて伝えることができると考え、相談を重ねた末に今回のコンセプトへ至ったという。
担当者は今回の企画制作物の圧倒的な物量に苦労をしたが、その全てを大森氏自らが「世の中に届けるものは全てミセスのクリエイティブ」という意識でチェックし、そして多くのファンが喜びの反応を返したことに感銘を受けたと語る。
「物理広告には『体験性』がある。視聴環境を固定できるので、その場所に合ったメッセージの届け方ができ、見た人にとって深い視聴体験を作れることが強みだ。特に、コンテンツやアーティストのプロモーションにおいては、それを目的にファンが熱量をもって足を運び、SNSで広がっていく。ある意味、交通広告を起点に、ファンと一緒にインターネット広告を作っていると感じる」。(担当者)
※本記事は『総合報道』2025年9月15日号に掲載されたものです



