知る・学ぶ/コラム日本コカ・コーラ、「おうき」なプニプニの唇でPR。新宿駅にリアルゴールドの広告を掲出
駅広告
2024.07.22
日本コカ・コーラ㈱(本社東京、ムラット・オズゲル社長)は5月6日〜12日まで、エナジードリンクブランド「リアルゴールド」を訴求する巨大な唇の立体造形を設置した特殊OOHを、新宿メトロプロムナードで掲出した。
この広告は「このおうきなプニプニの唇は誰だ!?」とし、春秋戦国時代の中国を舞台にしたTVアニメ「キングダム」の人気キャラクター「王騎」の唇を「おうき(大き)」くしたもの。
唇部分は実際の手触りやグロス感・形状なども再現することで「体験になる広告」を目指した。王騎の唇はインターネットミーム化し、多くの発話がソーシャルメディア上にあったことに着目。また、アニメのストーリー上でも王騎自体が存在も含め、大きなキャラクターとして描かれていたので、唇だけを巨大化させた。掲出場所は人通りが多く、通勤・通学に使用する地下鉄という日常の風景の中に違和感を作りたく選定した。
デザインのポイントは、唇を最大限大きくしたことと、背景やタイポグラフィでキングダムの世界である「中華」を感じさせ、感覚的に答えが導き出せるようにしたこと。プニプニの唇にするために試作を重ね、中のスポンジに空洞をつくるなど、質感を調節。また、光沢のある大きな布素材をピンクに染め直し、唇の色と光沢感にこだわった。
広告掲出の最終目的は、リアルゴールド製品の認知および新規飲用者を獲得すること。メインターゲットはリアルゴールドを普段から飲んでいない人だ。リアルゴールドは4月から、キングダムとコラボレーションしており、5月6日からWEB謎解きイベント「謎解き! モヤモヤ軍からの解放」を開始した(イベントは現在終了)。
交通広告はインパクトを出すことで、謎解きへの興味を持ってもらいながら、SNSなどでの拡散を図り、WEB謎解きサイトの訪問数アップを目指した。広告自体を謎解きの第1問目とし、通行者にその場で謎解き体験を提供、興味を持たせる工夫をした。同時に二次元コードを記載し、サイトに訪問しやすくした。訪問者にサイト内で製品認知と理解を深めてもらい、新規の購入につなげることを最終目的とした。
また5月20日〜26日には第2弾として「純金を手に入れろ!」の広告を掲出。謎解きの景品を抽選で10万円相当の純金とし、広告のコピーのうち「純金」の部分は金のマーキングフィルムを貼った。第1弾が何の広告か分かるようにしながら、純金を強調することで、謎解きゲームへのさらなる誘引とリアルなゴールド(純金)としてブランドの認知向上につなげるのを狙いとした。
掲出後、SNS上で「キングダム」ファンを中心に反響があり、新宿駅まで広告を見るために足を運んだ人もいた。また、WEB謎解きサイトのPV数やUU数、謎解きの回答数など、当初想定していた数値目標を大きく上回ったという。
キングダム「王騎」の唇を「おうき」くしたOOH
「純金を手に入れろ!」の広告
広告の詳細は下記の通り。(敬称略)
▽企画/日本コカ・コーラ㈱ マーケティング本部 スパークリングフレイバー
ズカテゴリー ディレクター・河合和人
WPPジャパン クリエイティブディレクター・ 池山徳和
▽デザイン/㈱たきコーポレーション TAKI iC
▽設計、製作、施工、シート出力/㈱小林工芸社
▽広告媒体/新宿メトロスーパープレミアムセット×1面
▽サイズ/全体:H2,060×W14,560mm
唇立体部分:約W6,823×H1,900×D300mm
※本記事は『総合報道』2024年6月15日号に掲載されたものです