事例コラム 「視線が上がると気持ちも上がる」──行動心理学を活用した就活応援広告が話題に
駅広告
2025.07.02
㈱ i-plugは6月1日、東急田園都市線渋谷駅地下2階の道玄坂ハッピーボードと首都圏大学周辺の消火栓にて、就活生の気持ちが前向きになる「視線が上がる広告」を掲出した。

同広告は、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の前野隆司教授による監修で「視線を上げることで気持ちが前向きになる」という行動心理学を応用したもの。
新卒採用サイト「OfferBox」を運営する同社は、24年卒の学生を対象にアンケートを実施。内定の早期化やアフターコロナに伴う選考方法の多様化などで、就活生の4分の3以上がネガティブな気持ちになっていると判明したことから「就活生を応援する企画ができないか」と考え、掲出に至ったという。
道玄坂ハッピーボードでは、「このくらいの目線が、自信に効く。」というメインキャッチを床面から約190cmの高さに配置。さらに、その下のスペースを全て余白とすることで、視線を高く誘導できるようにデザインした。

「メッセージ設計も工夫し、『頑張れ!』という直接的な言葉では伝わりづらいと考え、うまくそのメッセージに注目し、かつ、自然と背中を押すようなものを目指した。また、言葉だましになったり、軽すぎるものになったりしないよう、前野教授に協力いただき設計した」。(担当者)
消火栓広告は、渋谷駅のメインキャッチを「この」「くらいの」「目線が、」「自信に」「効く。」の5つに分割。首都圏4大学の各キャンパス周辺の消火栓に〝あえて〟分散して掲出した。その意図について担当者は「単体で見た際は『なにこれ?』となるが、SNSにそれぞれアップされた際に全てのメッセージがつながる、というところまで実現を目指した」と語る。
掲出から5日を経過した時点でTwitterでは閲覧数が100万以上、約5000の「いいね」を獲得(※投稿の総数から算出)。

※本記事は『総合報道』2023年6月15日号に掲載されたものです