ナレッジコラム DOOH(デジタル屋外広告)とは?仕組みからメリット、導入時のポイントまで解説!

屋外広告駅広告

2025.09.09

DOOHはデジタル屋外広告全般を指し、交通広告や屋外広告などにおけるデジタル広告を指します。デジタル広告は紙ポスターや看板などと異なり映像と音声によって効果的な訴求が可能です。
本記事では、DOOHの基本的な仕組みから、具体的な掲出事例、活用するメリット、導入時に押さえておきたいポイントまでを解説します。

DOOH(デジタル屋外広告)とは?

DOOHとは「Digital Out of Home(デジタル・アウト・オブ・ホーム)」の略称で、家庭の外に設置される屋外広告や交通広告の中でも、デジタルサイネージを活用して映像や音声で情報を伝える広告を指します。
ディスプレイやLEDビジョンなどの表示装置を使って、動画やアニメーション、静止画などを配信できるのが特徴です。従来の紙ポスターとは異なり、時間や状況に応じて内容を変更できる柔軟性を持ち、注目度の高い広告手法として注目されています。

DOOHの具体例

DOOHは、さまざまな場所に掲出されていますが、その代表的な例が次のものです。

・ビル外壁に掲げられた大型ビジョン
・駅構内の駅デジタルサイネージ
・電車内の車内ビジョン
・タクシービジョン
・バス停サイネージ
・ショッピングモール内に設置したデジタルサイネージ広告

このように、交通機関や屋外、商業施設内など多様な場所に設置されています。

特に都市部では、新宿や渋谷といった主要駅の周辺ビル壁面に設置された大型ビジョンが、DOOHの象徴的存在として知られています。また、天気や交通情報、ニュースなどの生活に役立つコンテンツを合わせて配信することで、情報源としての価値も高めています。

DOOHの仕組み

DOOHでは、配信の柔軟性と効率性を高めるために、主に2つの方式が活用されています。それぞれの仕組みを理解しておくことで、広告効果を最大化するための設計がしやすくなります。

ダイナミックDOOH

「ダイナミックDOOH」とは、表示する広告の内容を、天気や時間帯、曜日、周辺のイベントなどに応じてリアルタイムで変更できる仕組みです。

たとえば、以下のような使い方が可能です:
・雨の日は、傘や防水アイテムの広告を表示
・気温が高い日は、冷却グッズや飲料の広告に切り替え
・通勤ラッシュの時間帯は、駅チカ飲食店の広告を表示

このように、環境の変化に合わせて“その時・その場に合った広告”を届けられるため、より高い訴求効果が期待できます。動的に変化する広告は視聴者の目にも留まりやすく、購買意欲を刺激する要素になります。

プログラマティックDOOH

「プログラマティックDOOH」とは、広告の出稿や配信を自動的に行う仕組みのことです。オンライン広告の世界では一般的な仕組みですが、それをDOOHに応用したものです。

以下のような特徴があります:
・地域の人口構成や属性データ(年齢層、性別、通行量など)をもとに、効果が高そうな場所や時間を選んで自動的に広告を配信
・オンラインの広告配信プラットフォームを通じて、リアルタイムで出稿内容を最適化

さらに近年では、「オーディエンスデータ」と呼ばれる視聴者の行動や特徴に関するデータが活用されるようになっており、広告の効果測定やエリア選定の精度も高まっています。
この仕組みによって、従来の屋外広告では難しかった「誰に届いているのか」「どれくらい見られているか」という分析も、ある程度可能になってきています。

【関連ページ】
OOH広告枠のプログラマティック取引最前線インフラ整備が進む

DOOHのメリット

DOOH(デジタル屋外広告)は、紙のポスターや看板と異なり、デジタルならではの機能を活かして、広告の効果を高めることができます。ここでは、初心者の方にも理解しやすいように、DOOHの主なメリットを3つのポイントで解説します。

①リアルタイムに広告内容を切り替えられる
DOOHの大きな強みは、広告の内容を「その時々の状況」に合わせて柔軟に変更できる点です。

たとえば:
・朝と夜で異なる広告を表示
・雨の日だけ、傘のプロモーションを表示
・周辺イベントに合わせて内容を変更

このように、時間帯や天気、場所などの情報をもとに、自動で広告の内容を切り替えることができます。これにより、よりタイムリーで訴求力のあるメッセージを発信できるのです。

動きと光で人目を引く、高い視認性とインパクト

DOOHは、映像やアニメーション、鮮やかな光などを使って広告を表示できるため、静止画のポスターに比べて目立ちやすく、通行人の注目を集めやすくなります。
駅構内や街中など、人の往来が多い場所に設置されていることが多く、自然と多くの人の目に触れる点も魅力です。

・動画広告で多くの情報を短時間で伝達できる
・サウンド付きであれば、さらに訴求力が高まる(※設置場所による)

「どれだけ目に留まるか」が広告の成果に直結する中で、DOOHは非常に有効な手段といえるでしょう。

SNSとの相乗効果が見込める

映像やタイムリーな表示など、DOOHの特性はSNSと相性が良く、話題性のある広告は写真や動画付きでSNSに投稿されることがあります。
その結果、リアルな広告がネット上でも拡散されるという、二次的な効果も見込めます。
また、SNS連動型キャンペーンと組み合わせることで、ユーザー参加型のプロモーションを実現することもできます。

DOOHを成功させるポイント

DOOH(デジタル屋外広告)は映像や音声、リアルタイムな情報連携といった特性を活かせば、高い広告効果を得られる可能性があります。ここでは、初めてDOOHを活用する際にも意識したい、成功のための3つのポイントを解説します。

2次元バーコードと組み合わせ、インタラクティブな体験を提供

2次元バーコードを広告内に掲載しておくことで、ただ視聴するだけでなく、視聴者との双方向のコミュニケーションが可能になります。

例えば、2次元バーコードをスマートフォンで読み取ると、Webページへアクセスし、お得な情報が手に入ったり、ゲームを楽しめたりする仕組みが考えられます。インターネット上でSNS投稿を行えば、大きな話題を生むこともあります。

また、2次元バーコードを埋め込むことで、読み取ってWebサイトへアクセスしたユーザー数を計測できるようになるため、DOOHそのものの効果測定にも活用できるメリットがあります。

効果測定方法をあらかじめ決めておく

DOOHのような屋外広告の効果測定方法は、アンケート調査結果が主流ですが、近年は周辺エリアの人々のスマートフォンの位置情報データを活用した測定が可能になってきています。例えば、DOOHでファッションブランドの広告を見た視聴者が、そのファッションブランドの店舗に足を運んだ可能性が高いタイミングを推測することも可能です。

ターゲットを絞り込み、配信エリアを最適化する

DOOHの特長の一つに「配信エリアを柔軟に選べる」点があります。駅やエリアごとに利用者層が異なるため、広告の目的に応じて掲出場所を戦略的に選ぶことが成功のカギとなります。

たとえば:
・若年層向け商品の広告は、大学や繁華街周辺の駅で掲出
・訪日観光客向けの案内は、空港連絡路線やターミナル駅で配信

最近では、こうした属性データを踏まえて広告を出し分ける技術も進化しており、よりターゲットに刺さる広告配信がしやすくなっています。

まとめ

DOOH(デジタル屋外広告)は、映像や音声を使って強い印象を与えられる広告手法であり、交通広告や屋外広告の新しい選択肢として注目を集めています。従来の紙媒体では難しかったリアルタイム性や柔軟な配信を実現できる点も大きな特長です。
また、2次元コードの活用やエリアターゲティング、効果測定手法の多様化によって、ユーザーとの接点づくりや広告施策の改善もしやすくなっています。

これからDOOHを活用したいとお考えの方は、まずは広告の目的やターゲット、効果測定の方法を整理し、最適な配信場所・タイミングを検討することが成功の第一歩となります。
DOOHの選定やアイデアのご提案、実施に関するご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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