事例コラム 交通広告の成功事例5選!話題になった広告の仕掛けと効果を徹底解説

電車広告

2025.04.22

交通広告は、日常の導線上にあり、多くの人々の目に触れるメディアであることから、高い訴求力やエリア性のあるターゲットセグメンテーション、強制視認性など多様なメリットがあります。そのメリットを十分に得られるのかと不安になったり、試行錯誤している方も多いのではないでしょうか。効果を出すためには広告としての工夫や仕掛けが重要です。 具体的な方法は、成功事例から学ぶことができます。 今回は、5つの成功事例と共に、どのよう仕掛けでどんな効果が出たのかがわかりやすく解説します。

交通広告の成功事例その1~【駅広告】体験型コンテンツでブランドイメージを向上

【駅広告】日本郵政

広告の仕掛け

東京メトロ丸の内線の新宿駅と、新宿三丁目駅をつなぐ、歩行者専用の地下連絡通路である「メトロプロムナード」に、駅ばりポスターを掲出しました。「#郵便ポストが見ている世界」と題して、郵便ポストを模した真っ赤な背景に、「もし郵便ポストが目の前の景色を見つめていたら?」という想像のもと、郵便ポストの内部から外界を見ているかのような投函口の四角い窓に、全国各地の景色の映像を流しました。

効果

通行人の多くに写真撮影され、SNSのXをはじめ、インターネット上での多数の反応を獲得し話題を呼びました。また慣れ親しんだ郵便ポストを新たな角度から再認識し、興味や愛着を持ってもらった結果、ブランドイメージ向上に寄与しました。

成功のポイント

巨大な広告面に小さな穴を設けた“違和感のあるビジュアル”と、郵便ポストが擬人化されているという設定によって、通行人の注意を引きつけます。その正体に気づいた瞬間に生まれる驚きと意外性が、強い印象を残します。さらに、近づいて覗き込まなければ見られない投函口からの映像は、単なる広告を超えた“体験型”の仕掛けとなっており、立ち止まる行動を自然に促す構成になっています。

【関連リンク】
郵便ポストが見ている世界│体験できる広告を新宿に展開

交通広告の成功事例その2~【電車広告】電車内の静止時間を利用し自然検索数アップ

【電車広告】ブレインスリープ

広告の仕掛け

20~50代のビジネスパーソンをターゲットとした寝具などのブランドにおいて、接触頻度を高めるために電車広告やタクシー広告、エレベーターのデジタルサイネージ広告といった複数のメディアを組み合わせました。
交通広告の電車広告では、ドア横ポスターを利用してビジネスパーソンにも訴求しやすい場所に掲出し、詳細なエビデンスデータも含めて読み込んでもらえるように企画しました。また最後にWebでの検索行動を起こしてもらう設計としました。

効果

広告実施後の自然検索数は目標の2倍以上となりました。

成功のポイント

成果につながった大きな要因として、まず「多様な広告手法の組み合わせ」が挙げられます。​複数の広告手法を組み合わせることで、ターゲット層への接触機会を増やし、広告効果を高めました。​また「ターゲットと掲出場所の適切なマッチング」も一因です。​広告のターゲット層と掲出場所を慎重に選定し、特に電車内という「静止した時間」がある環境を活用することで、情報をじっくりと伝えることができました。​

さらに「効果的なクリエイティブデザイン」も効果につながっています。​視線の流れを考慮し、上部から下部へとストーリーを展開しながら最終的に検索行動を促す仕掛けを取り入れることで、閲覧者の行動を効果的に誘導しました。
これらの戦略的なアプローチが、広告の高い成果につながったと考えられます。

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車内媒体でベネフィットを伝える

交通広告の成功事例その3~【電車広告】フルラッピングの中吊りジャックで7万いいね以上

【電車広告】亀田製菓

広告の仕掛け

電車広告を利用して、同社の米菓「ハッピーターン」仕様にジャックしたフルラッピング車両を運行しました。外装は車体に商品パッケージとマスコットキャラクターのデザインで装飾し、内装は中づりポスターを実際の菓子のようにキャンディー包装するなど独自の広告を展開しました。また、広告には、直近で実施したキャンペーンで募集したユーザーからのハッピーなエピソードの投稿の一部を採用しました。

効果

同社の公式アカウントからの本広告に関する投稿は合計7万「いいね」以上を獲得したほか、多数のWebメディアにも取り上げられ話題を呼びました。

成功のポイント

成果につながった要因は大きく3つ考えられます。一つ目は「ブランドコンセプトの一致」です。「ハッピーターン」という商品は「幸せ(ハッピー)がお客様に戻って来る(ターン)ように」という願いを込めて誕生しました。一方、京急電鉄の「京急イエローハッピートレイン」は、「沿線に幸せを運ぶ電車」として運行されています。両者の「幸せを届ける」という共通のコンセプトが、今回のコラボレーションの基盤となりました。

二つ目は「インパクトのあるビジュアルと体験の提供」です。車両の内外装を「ハッピーターン」の世界観で装飾し、特に車内には通常の約75個分のサイズに相当する「中づりBIGハッピーターン」を掲出しました。これにより、乗客に強烈な視覚的インパクトとユニークな体験を提供し、SNS上でも大きな話題となりました。

三つ目は、「ユーザー参加型キャンペーンの実施」です。公式Xアカウントで「ハッピーみーっけ!キャンペーン」を実施し、日常の幸せエピソードを募集。集まった1,000件以上の投稿の一部を車内広告に採用することで、ユーザーとのエンゲージメントを高め、プロモーションへの参加意識を醸成しました。

これらの施策により、「ハッピーターン」のブランド認知度向上と、消費者との深い結びつきを実現しました。

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亀田製菓、「ハッピーターントレイン」運行開始で菓子75個分サイズの中吊りを掲出

交通広告の成功事例その4~【駅広告】撮影&SNS拡散を自然と誘導し体験投稿でバズ創出

【駅広告】有楽製菓

広告の仕掛け

東急田園都市線渋谷駅のB1Fコンコースにおける専用大型ボードである「渋谷道玄坂ハッピーボード」に、特殊印刷を施した駅ばりポスターを掲出しました。同社の菓子を両手に持っている社長の横に「社長に(雷の絵文字)を落としてください」とのコピーがあり、視聴者がフラッシュをたいて写真撮影すると、広告は社長が雷に打たれる画像に変化し、新たに文字が浮かび上がる仕掛けにしました。

効果

本広告の話題は、TikTokにおける体験投稿は、約90万回再生、約2万「いいね」を獲得するなどのバズを生み、多大な拡散につながりました。

成功のポイント

成果につながった要因として、主に次の3つが挙げられます。一つ目は「インタラクティブな仕掛けの導入」です。広告にフラッシュ撮影で変化する視覚的な仕掛けを取り入れることで、通行人が自ら参加したくなる体験を提供しました。これにより、広告への関心と記憶に残る効果を高めました。

二つ目は「ユーモアと親近感を醸成するクリエイティブ」です。社長自らが広告の中心となり、雷に打たれるユニークなビジュアルを採用することで、ブランドの親しみやすさとユーモアを前面に打ち出しました。これにより、消費者との心理的距離を縮め、ブランドへの好感度を向上させました。

三つ目は「戦略的な掲出場所の選定」です。人通りが多く、撮影スペースを確保できる渋谷駅の「渋谷道玄坂ハッピーボード」を掲出場所として選定したことにより、多くの人々が広告に注目し、実際に撮影・共有する環境を整えました。

これらの戦略的な施策が相乗効果を生み、結果としてSNS上での話題化や拡散につながり、プロモーションの成功を後押したと考えられます。

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「ブラックサンダー」発売30周年記念として、「社長に雷を落とす」交通広告を渋谷に掲出

交通広告の成功事例その5~【電車・駅広告】生活動線上で自然に届く接点が、認知度の向上を後押し

【駅広告】シェアフル

広告の仕掛け

求人情報アプリ「シェアフル」の認知度向上のため、テレビCM、電車内広告、駅広告、店舗でのポスター・ステッカー掲出、SNS広告、YouTube広告といった複数のメディアで展開するオムニチャネル戦略を実施。その一環として、電車内広告は「東京メトロ全線ツインステッカー」を、駅広告では首都圏・大阪・名古屋での駅看板広告を採用しました。 どちらもターゲットである若年層が日常的な通学・通勤時に接触する掲出場所を狙って選択しました。

効果

このオムニチャネル戦略により、「シェアフルを知ったきっかけ」として電車内広告や駅広告を含む屋外広告(OOH)を挙げる割合が、定点調査で顕著に増加しました。特に、デジタル広告と比較した際の認知経路の差は、施策前の35ポイントから20ポイントにまで縮小。これは、交通広告がデジタル広告と同等、あるいはそれ以上の影響力を持ち得ることを示す結果となりました。

成功のポイント

交通広告は、スマートフォンやテレビのようにユーザーが自ら選んで接触するメディアとは異なり、移動中の自然な視界に入ることで“強制感なく”情報を届けられるのが特長です。特に電車内や駅構内といった比較的静かな空間では、情報が受け入れられやすく、ブランドイメージがスムーズに浸透します。また、デジタル広告との組み合わせによって、接触の頻度と角度が多様化し、認知度の向上とブランドの定着に相乗効果をもたらしました。こうした“生活動線に寄り添う広告設計”と“メディアミックスの最適化”が、今回の成功を支えた要因といえるでしょう。

【関連リンク】
生活に溶け込むOOH広告:シェアフルのオムニチャネル戦略

交通広告の成功のポイントまとめ

上記の事例から成功のポイントをまとめます。

思わず体験したくなる仕掛け

ただ眺めるだけの広告ではなく、思わず近づいて覗き込んだり、写真を撮ったりと“体験したくなる”仕掛けは、受け手の能動的な関与を生み、SNS投稿などの自発的な拡散へとつながります。視覚的インパクトだけでなく「参加したくなる工夫」が、話題化の大きなカギとなります。

ターゲットおよびクリエイティブの掲出場所の最適なマッチング

広告の企画やクリエイティブがいくら優れていても、適切なターゲットに届かなければ、行動喚起にはつながりません。ターゲットの生活動線を想定し、掲出場所とクリエイティブの相性を緻密に設計することが、高い広告効果を生むための重要なポイントです。

電車・駅ジャックでインパクトを創出

フルラッピング車両や中づりジャック、大型駅ボードといった“ジャック感”のある広告展開は、視覚的なインパクトと話題性を両立させる強力な手法です。そこに「思わず撮りたくなる」ビジュアルやストーリーが加われば、SNSでの拡散力もさらに高まります。

空間に“違和感”を生むクリエイティブの活用

駅や電車という日常的な空間の中に、あえて非日常的で“違和感”のあるクリエイティブを配置することで、通行人の目を引き、自然に立ち止まらせる力が生まれます。日常に溶け込みつつも、記憶に残る演出が鍵です。

キャンペーン施策やオムニチャネル戦略との連動

交通広告単体に留まらず、SNSキャンペーンやデジタル広告、店舗施策と連携させた“オムニチャネル”展開を行うことで、より多くの接触機会とアクション喚起が見込めます。オンラインとオフラインの相乗効果を狙った設計が、認知から行動への導線を滑らかにします。

まとめ

交通広告の成功事例をご紹介しました。今回ご紹介したのは、あくまで一例であり、それぞれの企業やブランド、商品の特性やターゲットによって効果の出る方法は変わってきます。

重要なのは、各事例の成功ポイントをヒントにしながら、自社にとって最適な交通広告をどう設計するかという視点です。
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