ナレッジコラム OOH広告とは?屋外広告・交通広告の特徴と活用シーンをわかりやすく解説
2025.06.10
街を歩けば目に飛び込んでくる屋外ビジョン広告や広告看板、駅看板など、OOH(Out Of Home)広告は、近年進化を遂げており、ますます注目したい魅力的なメディアです。
本記事では、OOH広告の基本的な意味や種類、最近話題のデジタルOOH(DOOH)広告、そしてその特徴を活かした活用方法まで、初心者の方にもわかりやすくご紹介します。
これからOOH広告の出稿を検討している方にとって、最初の一歩となる情報をまとめました。

OOH広告とは?
OOH広告(Out Of Home広告)とは、自宅の外で人々の目に触れる広告全般を指します。
テレビCMやWeb広告と異なり、生活者の“移動中”や“外出先”で自然に接触することができるため、日常動線の中で認知されやすいという特徴があります。
OOH広告は大きく以下の2つに分けられます。
屋外広告
屋外の広告看板、ビルボード広告、街頭ビジョン、デジタルサイネージ、ストリートファニチャー広告(道路のポールや公園のベンチ、電話ボックス、街灯など)、アドトラックなど、主に街中の空間で目にする広告です。
交通広告
電車内の中づり広告、駅構内のポスター、バス車体やタクシー車内の広告、空港や空港連絡路の広告など、公共交通機関の利用者に向けて発信される広告です。
OOH広告は、テレビCMや新聞広告などのマスメディアと同様に広く一般的な人々にアプローチできることから従来から注目されてきました。近年はインターネット広告が活発になっていますが、その中でも日常的に人々の身近なところで目にする屋外看板や駅広告、電車広告などは特に高い訴求力があり、効果が期待できます。
また最近では、DOOH(Digital Out Of Home)広告という、デジタル技術を活用したOOHも増えてきました。デジタルサイネージやネット接続による表示内容の自動切替など、リアルタイム性や柔軟性が高い表現が可能です。SNSやテレビCMなど他メディアと連携させた施策も注目されています。
OOH広告は、従来のアナログ媒体から進化を遂げ、高い視認性と最新技術を組み合わせた“新たな広告体験”を生み出せるメディアとして、今後ますます活用の幅が広がっています。

先端技術で進化するOOH広告とDOOH広告
OOH(屋外広告・交通広告)は、デジタル技術の進化により、より柔軟で効果的な広告メディアへと進化しています。特に近年注目されているのが「DOOH(Digital Out Of Home)」と呼ばれるデジタルOOH広告です。ここでは、最新技術を活用したDOOH広告の種類と、それぞれの特長をご紹介します。
プログラマティックDOOH
プログラマティックDOOHとは、デジタルOOH広告に広告配信の自動化技術を取り入れた手法です。インターネット広告と同様に、ユーザーの行動データや属性情報に基づき、最適なタイミングで広告を自動配信することが可能です。 従来のような人の手による手配を必要とせず、スピーディかつ効率的に広告を掲出できるため、注目を集めています。視聴者数の推定や、配信タイミングの最適化など、データドリブンな広告運用が可能になります。
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ダイナミックDOOH
ダイナミックDOOHは、センサーやカメラなどのIoT機器と連携した高度なDOOH広告です。気温、混雑状況、時間帯、視聴者の属性など、周囲の環境データをリアルタイムで取得し、その情報に合わせた広告内容を自動的に表示します。 たとえば、暑い日に冷たいドリンクの広告を出すなど、タイミングに応じた訴求が可能となり、より効果的なコミュニケーションを実現します。
アンビエントOOH広告
アンビエントとは「周囲の」「環境の」などを意味する言葉で、周辺環境になじむ形で作られるクリエイティブが特徴の広告です。通常は、メディアとして取り扱われていない場所に、周辺環境を活かす形で掲出するのが特徴です。
例えば渋谷駅前の巨大ビルボードに掲出したサッカー選手の巨大ポスターに、ロープでぶら下がった作業員6人名が実物と同じ素材のユニフォームをかぶせて着せるパフォーマンスを行った事例もあります。意外性がありインパクトが強く印象に残りやすい点が特長です。
【事例記事】
Abemaドラマ『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』桐谷健太さん演じる木原の巨大な目が「見てるで」と通行人に鋭い視線のOOHを掲出

3DビジョンとAR(拡張現実)を活用した広告
最近では、3D映像やAR(拡張現実)を組み合わせたOOH広告も登場しています。駅や街頭に設置されたデジタルサイネージとスマートフォンを連動させ、現実空間とCGを融合させることで、没入感のある広告体験が可能になります。 たとえば、ARで商品が目の前に飛び出してくる演出や、キャラクターと一緒に写真が撮れる体験など、SNSでの拡散にもつながるインパクトを生み出せます。
OOH広告の特徴と活用しやすいケース
OOH広告の主な特徴を見ていきましょう。またそれぞれの特徴を踏まえて、どのようなケースに活かすことができるのかもご紹介します。
幅広い人に何度も見てもらえる
OOH広告は、駅や電車、街中など人の多い場所に掲出されるため、たくさんの人に自然と見てもらえるのが特長です。特定のエリアや時間帯を選ぶことで、狙いたい層にピンポイントで届けることも可能です。さらに、通勤・通学などで毎日同じ場所を通る人には、繰り返し目に入ることで記憶に残りやすくなります。
活用しやすいケース
ターゲット層に加え、その周辺層にも広く認知を広げたいとき。商品やサービスの知名度を高めたいときに効果的です。
大きなビジュアルで強い印象を残せる
OOH広告はサイズが大きく、視覚的にインパクトを与えるため、印象に残りやすいという特長があります。とくに駅や街頭での広告は、日常の中で突然現れる「非日常的な演出」として、見る人に強い印象を与えます。
活かせるケース
ブランドの世界観を表現したいブランディング施策や、新商品の認知度向上を目指すキャンペーンにおすすめです。
店舗の近くで訴求できる
OOH広告は屋外に設置されるため、実際に商品を販売する場所やサービスを提供するエリアの近くで広告を出すことができます。店舗の近くで宣伝することで、「ついでに立ち寄る」行動を促すことができます。
活かせるケース
地元密着の店舗ビジネスや、エリアマーケティングの一環として。特売情報やキャンペーンの案内を出したいときにも最適です。
SNSで拡散されやすい
最近では、インパクトのあるOOH広告がSNSで話題になることも少なくありません。思わず写真を撮りたくなるようなビジュアルや仕掛けは、X(旧Twitter)やInstagramなどで投稿され、二次的な拡散効果を生み出します。
活かせるケース
SNSキャンペーンや口コミを狙いたいプロモーションと組み合わせることで、広告効果を大きく広げることができます。

OOH広告の活用事例
OOH広告の特徴をうまく活用した事例を3つご紹介します。
肉眼3Dビジョンを利用したリアル広告ならではのインパクトのある訴求
肉眼3Dビジョンとは、湾曲したディスプレイなどを用いて立体映像を放映できるビジョンで、屋外のビルなどに掲げることで大きなインパクトを出すことができます。
事業基盤を沖縄県に構えるある企業は、沖縄の水族館で飼育されている巨大なジンベエザメをキービジュアルに起用し、迫力ある演出を行いました。コロナ禍の真っただ中であったこともあり、活気を失っていた繁華街を明るくする効果を出しました。
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オンラインとの親和性の高さを活用
あるヘアスタイリング剤ブランドは、オンラインとオフラインを横断したユーザー接点を持つために、全国主要5都市にて大型ビジョンを活用した屋外広告を展開しました。さらに、渋谷区公認のメタバース空間「バーチャル渋谷」内でも同時に屋外広告を出し、SNSと合わせてプロモーションムービーを発信しました。またOOH広告の持つ偶発的な出会いの効果も期待しています。オンラインとオフラインを組み合わせることで、ターゲットの10代、20代ユーザーがSNSでも発信しやすい状況を作り、話題を読んでさらに拡散する効果も得られました。
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エリアターゲティングがしやすい特性を活用
地域ごとに店舗を複数展開するフィットネスジムは、継続的な認知獲得を重視していることから、日常的に繰り返し目に触れる上に、エリアターゲティングがしやすい駅看板広告を有効活用し、継続的に広告を掲出しています。駅広告は、近隣住人とそのエリアで働く人が集まる駅というターゲットに合致する点と、コストパフォーマンスが高い点が合致していることがポイントです。
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ゴールドジムが駅看板を重視する理由

まとめ
OOH広告は、屋外広告や交通広告などさまざまな種類があり、不特定多数の多くの人々が日常的に目に触れる特徴を持つ広告です。先端技術やオンラインとの掛け合わせにより、より高い広告効果を創出できる可能性に満ちています。ぜひOOH広告の特徴や魅力について理解を深め、有効活用していきましょう。
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