事例コラム 交通広告の選び方|首都圏主要6路線の電車広告・駅広告の特徴を徹底比較

駅広告

2025.06.13

電車広告や駅広告などの交通広告は、毎日の通勤・通学で自然と目に入りやすく、高い訴求力が期待できるメディアです。特に首都圏では、利用者数の多い主要路線を中心に、多くの企業が広告を展開しています。
ただし、いざ出稿を検討しようとすると、「どの路線を選べばいいの?」「どの広告種類が効果的?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、交通広告の選び方として押さえるべき比較ポイントと、首都圏の主要6路線の特徴をわかりやすくご紹介します。はじめての方でも、自社に最適な広告選びのヒントが得られる内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

交通広告を比較・選定するための5つのチェックポイント

電車広告や駅広告を出稿する際には、広告の種類や掲出エリアによって効果が大きく異なります。どの広告を選ぶべきかを判断するためには、次の5つのポイントを押さえておくことが重要です。

1. 路線・駅の利用者属性を把握する

路線や駅によって利用者の年齢層や職業、ライフスタイルは大きく異なります。たとえば、ビジネスパーソンの利用が多い駅と、学生の利用が多い駅では、広告の伝え方や適したクリエイティブも変わってきます。ターゲット層が日常的に利用するエリアを選定することで、効果的なアプローチが可能になります。

2. 広告の種類・形態を選ぶ

一口に交通広告といっても、中づりポスターやドア横ポスター、駅サイネージ、ステッカー広告など種類は多様です。ポスターと動画では情報伝達のスピードや印象度も異なるため、目的(ブランディング/販促など)に応じて適切なフォーマットを選びましょう。

3. 掲出期間・時期を確認する

広告を掲出する期間と時期は、媒体によって異なってくるため、よく確認しましょう。掲出のタイミングは時期的なものと時間があります。

4. 広告到達率を参考にする

広告到達率とは、広告を「見た」「見た気がする」と回答した人の割合です。広告が実際にどれだけの人に届いているかを示すデータとして、出稿メディアの効果を判断する一つの材料になります。

5. 費用と費用対効果を考える

広告費用は、媒体の種類、路線の利用者数、掲出期間などによって異なります。予算内で最大限の効果を得るためには、費用だけでなく「その広告でどれだけのリーチが得られるか」をセットで考えることが重要です。

首都圏の電車・駅の交通広告の主要6路線の特徴を比較!

電車と駅の広告は最適な路線を選ぶために、各路線の利用者や路線の特徴を押さえておきましょう。
首都圏の主要6路線について、利用者の特徴や主要路線の特徴をご紹介します。

JR東日本

JR東日本は輸送人員は4,500百万人(2023年4月1日時点)と国内においては最大級の車両、駅、輸送人員を持ちます。

利用者の特徴

週1回以上鉄道を利用する人の割合を見ると、特に15~19歳の若年層が最も高く、約75%に上ります。続いて20~34歳も60%前後と高い傾向があります。
一方、35歳以上になると利用率はやや下がるものの、50%前後を維持しており、幅広い年齢層にアプローチできるのが特徴です。

主要路線の特徴と広告活用のポイント

・山手線
山手線は、渋谷・新宿・池袋・東京などの都内主要駅を環状で結ぶ、東京の中心的な路線です。通勤・通学・観光・ショッピングなど、あらゆる目的の人々が利用しており、一日の平均通過人数は約94万人と非常に高いリーチを誇ります。広告面では、全駅が主要ターミナル駅のため、どの駅で掲出しても視認性が高く、車内広告では環状運転による反復接触が期待できます。ビジネス層や若年層を中心に、広範なターゲットへの認知・ブランディング強化に効果的なメディアです。

・総武線
総武線は、東京都心と千葉県の住宅地を結び、オフィス街や大学、商業施設を沿線に多数抱える東西方向の主要路線です。ビジネスパーソンから学生、ファミリー層まで幅広い利用者に安定的にアプローチできる点が強みです。駅・車内メディアともに、生活圏や学習圏を意識した広告展開が可能で、特にブランド認知や店舗集客、リクルーティングなど多様な目的に対応できます。地域密着型の施策にも適しています。

【参考】
JEKI MEDIA DATA(PDF)
JR東日本 路線線別ご利用状況(2019~2023年度)(PDF)

東京メトロ

東京メトロは、東京都心部を網羅し、ビジネスから生活、観光まで幅広いエリアを結びます。1日あたりの利用人数は、約652万人(2023年度)と巨大な規模です。

利用者の特徴

東京都心部の通勤通学者を中心に、多様な生活者を利用者として持ちます。性別構成比は、男性が55.5%、女性が44.5%で男性がやや多い状況(出典:株式会社ビデオリサーチ「SOTO/ex2023」)です。性年代別構成比は、40代と50代の男性と20代女性が割合として多くなっています。

東京メトロ以外の電鉄利用者と比べた場合、東京メトロはビジネスパーソンの割合が高く、管理職や役員(係長以上)の割合も高くなっています。
詳細は下記のコラムもご覧ください。

【関連リンク】
ビジネス・消費力に、強みあり!広告メディアとしての「東京メトロ」 ~東京メトロの利用者プロフィール~

主要路線の特徴

・銀座線
9路線中最も歴史があり、表参道や銀座、日本橋などを通過する1日平均輸送人員は82.2万人(2022年度/出典:東京地下鉄株式会社資料)の路線です。また、男性58.4%、女性41.8%で男性が多く、平均世帯年収は857万円、平均個人年収は549万円と比較的高所得層といえます(出典:株式会社ビデオリサーチ「SOTO+/ex2023」)。

・丸の内線
新宿・池袋を起点に、官公庁や大企業が集まる街を結ぶ1日平均輸送人員は110.4万人(2022年度/出典:東京地下鉄株式会社資料)の路線です。男性61.1%、女性38.9%と銀座線よりも男性比率が高いのが特徴です。平均世帯年収は915万円、平均個人年収は495万円と世帯年収の高さにも特徴を見出せます(出典:株式会社ビデオリサーチ「SOTO+/ex2023」)。

【参考】
東京メトロ メディアガイド2024

都営地下鉄

都営地下鉄は、新宿・六本木・大手町・日比谷など、都心のビジネスエリアを通る4路線を展開しており、1日あたりの乗車人数は約224万人(2022年度)にのぼります。

利用者の特徴

都心のオフィスワーカーや生活者を中心に、沿線には浅草・新宿御苑・東京都庁など観光スポットも多く、外国人観光客へのリーチも可能です。ビジネス層と観光客の双方に訴求できるため、企業ブランディングから観光コンテンツの告知まで幅広い用途で活用できます。

主要路線の特徴

・浅草線
都営浅草線は、都心と下町、さらに羽田・成田の両空港を結ぶ全20駅の路線です。通勤・通学者はもちろん、ビジネス層や観光客、訪日外国人の利用も多く、多様なターゲットにアプローチ可能です。空港利用者や観光スポット付近での広告展開に適しており、インバウンド施策やライフスタイル関連商材との親和性が高い媒体です。

・新宿線
新宿を起点に市ヶ谷・九段下など都心部を通り、本八幡まで延びる都営新宿線は、通勤・通学や観光で利用される重要路線です。オフィス街と住宅地の両方をカバーしており、ビジネスパーソンからファミリー層まで幅広くリーチできます。新宿エリアでのブランディングや、沿線住宅エリアでの来店促進など、柔軟な広告戦略が可能です。

【参考】
都営交通広告メディアガイド 2024

東急線

東急線は、渋谷を起点として都心と神奈川県・横浜方面を結ぶ私鉄路線で、東横線・田園都市線・目黒線など9路線を展開しています。住宅地と都市部をバランスよく結んでおり、通勤・通学・買い物・観光と幅広い目的で利用されています。なかでも東横線は1日平均約100万人が利用しており、広告接触数の観点からも魅力的な媒体です。

利用者の特徴

沿線には慶應義塾大学や昭和女子大学などの大学が点在し、学生の利用が多いほか、田園調布や自由が丘といった高級住宅街があるため、主婦層や高所得層にもアプローチできます。加えて、二子玉川や自由が丘などは人気のショッピング・グルメエリアとして、感度の高い生活者が集まる傾向があります。

主要路線の特徴

・東横線
渋谷〜横浜を結ぶ全長約24.2kmの人気路線。代官山、中目黒、自由が丘など感度の高い街を通り、若年層や高所得層にリーチしやすいのが特徴です。沿線には大学や商業施設も多く、通勤・通学・買い物客など多様なターゲットが集まります。都市型ライフスタイルに敏感な層に向けたブランディングや話題づくりに適した広告展開が可能です。

【参考】
TOKYU OOH データライブラリー

小田急線

小田急線は、ターミナル駅の新宿を起点として、箱根の玄関口となる小田原までを結ぶ小田原線や、湘南エリアの江ノ島線、多摩方面の多摩線など観光地や住宅地につながる通勤通学、レジャー、観光などに利用されている路線です。東京メトロ千代田線やJR東日本常磐線にも乗り入れており、高い利便性を誇ります。1日平均約318万人が乗降しています。

利用者の特徴

学生をはじめ、若い世代の利用者が多いのが特徴ですが、公式のデータでは男女共に35歳以上が多いほか、男女ともにフルタイムワーカーが最も多く、専業主婦と専業主夫も比較的多く割合を占めています。

主要路線の特徴

・小田急線
新宿から小田原までを結ぶ全長82.5kmの広域路線で、都心と神奈川の住宅地・観光地をカバー。通勤・通学に加えて箱根方面への観光利用も多く、平日も週末も高い訴求力があります。ビジネスパーソンからファミリー層、観光客まで多彩な層に届くため、商品認知や集客プロモーションに適した展開が可能です。

【参考】
小田急交通広告 小田急線プロフィール データライブラリー

京王線

京王線は、新宿と多摩や八王子などの住宅地を結ぶ京王線と、渋谷や下北沢などの若者が集うカルチャースポットなどに乗り入れる井の頭線の2つの路線で交通広告を出すことができます。総乗降人員は1日約300万人です。

利用者の特徴

利用者は男女同じくらいの割合ですが、職業は学生が約60%を占めます。50代以上の男性と20代以下の女性が比較的多くなっています。調査によると中づり広告をよく見る人は約40%、動画広告をよく見る人は約25%となっており、電車広告に興味関心が高いことがわかります。

主要路線の特徴

・京王線
新宿〜京王八王子を結ぶ全長約38kmの路線で、通勤・通学に加え、多摩動物公園や高尾山など観光地へのアクセス路線としても人気。平日・週末問わず幅広い層にリーチできます。ファミリー層や学生を含む生活者に向けた広告に加え、地域密着型のブランド訴求にも効果的です。

【参考】
KEIO MEDIA 京王線・井の頭線の交通広告

目的に合わせてどう選ぶ?交通広告の路線・媒体選定の考え方

各路線や駅には、それぞれ異なるエリア特性や利用者層が存在しています。ただし、どの路線にも通勤・通学、観光、買い物など、さまざまな目的で利用する多様なターゲットが含まれているため、「この路線=この層」と決めつけることは避けるべきです。

大切なのは、広告の目的や届けたいメッセージの内容、ターゲットの生活動線を踏まえ、「どの駅・路線の、どの場所で」「どんな表現で」伝えると効果的かを具体的に考えることです。

たとえば:
都心で広く認知を獲得したい場合は、複数路線にまたがる集中掲出やターミナル駅での展開。
地元密着で来店や応募を促したい場合は、特定駅や沿線にしぼったピンポイント施策。
商業施設や観光地との接点が重要な場合は、対象エリアの人流や時間帯を意識したプランニングが有効です。

メディアの種類(駅貼り・サイネージ・中づりなど)や、掲出タイミングとの掛け合わせによって効果は大きく変わります。最終的には「誰に・何を・どこで・どう伝えるか」を軸に、路線や広告の形を選定することが、成果につながるポイントです。

まとめ

交通広告は、媒体の種類や掲出エリア、路線の特徴など、比較・検討すべきポイントが多く、初めて出稿を検討する方にとってはハードルが高く感じられるかもしれません。
しかし大切なのは、「誰に・何を・どこで・どう届けたいのか」という目的を明確にすること。そこから最適な路線や媒体を選定すれば、交通広告の効果を最大限に引き出すことができます。

どの路線を選べばよいか迷ったときや、自社に合ったプランを相談したいときは、ぜひメトロアドエージェンシーにご相談ください。
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