ナレッジコラム OOHの広告事例から学ぶ活用方法からトレンドまでご紹介!

屋外広告電車広告駅広告

2025.08.21

街を歩いていると目にする大型ビジョンや駅構内のポスター、電車内の広告。これらは「OOH(Out Of Home)」広告と呼ばれ、日常のあらゆる場面で生活者と接触する広告メディアです。最近では、デジタル技術やSNSとの連携により、OOH広告の役割も多様化しつつあります。
本記事では、OOHの基本的な種類や魅力、注目の活用事例、効果的な実施方法、さらには最新トレンドまでを網羅的にご紹介します。

OOHの魅力とは

OOHの主な種類

OOHの種類には次のものがあります。

・交通広告:駅・電車・バス・タクシーの車内や車体、施設内外に掲出する広告。
・屋外ビジョン・ビルボード:ビルの壁面や屋上部分に掲出される広告。
・商業施設・飲食店内の広告:ショッピングモール、スーパー、映画館、飲食店などの館内広告。
・マンション内の広告:エントランスや共用部に掲出する広告。
・アドトラック:街中を走行しながら視認される広告宣伝車。
・イベントスペース:駅や広場などでのプロモーションイベントやサンプリング施策。

OOHならではの魅力

・大型や複数画面でインパクトのある訴求が可能
屋外広告や駅広告では、視認距離や通行量を活かした大画面での表現が可能。広範囲に渡って同一ビジュアルを複数面展開することで、強い印象を残すインパクトある訴求が実現できます。

・接触頻度が高く、繰り返しの訴求が可能
通勤・通学など日常のルーティンに組み込まれることで、生活者に繰り返し接触する点が特徴です。反復により記憶に残りやすく、ブランド認知や購買促進につながる効果が期待できます。

・地域密着型のアプローチが可能
OOHは掲出場所を戦略的に選べるため、特定エリアに絞った広告展開に適しています。たとえば、飲食店や学習塾など地域ビジネスでは、「地元での認知向上」といった目的にマッチしやすいメディアです。

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OOHの効果を出すことに成功した事例

ここでは、OOH広告を効果的に活用し、話題や成果を生んだ具体的な事例を紹介します。

生活導線に沿ったオムニチャネル展開で話題化

ある求人アプリのプロモーションでは、テレビCMやSNS広告に加えて、駅構内や電車内広告、店舗でのポスター掲出などを組み合わせたオムニチャネル戦略を実施。日常のあらゆるシーンにOOHを溶け込ませることで、生活者との接点を最大化しました。
また、ビルのエスカレーターの手すりにインタラクティブな広告を展開するなど、新しいOOH体験も提供。結果として、SNSでの自主的な投稿が増加し、「OOH広告がきっかけでサービスを知った」との声も多く集まりました。

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生活に溶け込むOOH広告:シェアフルのオムニチャネル戦略

エリア性を活かした没入感ある演出でSNSでも反響

WebドラマのPRでは、新宿駅周辺のビルや通気口に、登場人物の目元が大写しになったビジュアルと「見てるで。」というキャッチコピーを掲出。視線を感じさせるような演出により、通行人の目を引きました。
広告の中にはQRコードも仕込まれ、読み取るとドラマの世界観にリンクする仕掛けも。舞台となる歌舞伎町という街の特性とマッチしたOOH展開により、SNSでのシェアや話題化が促進されました。

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Abemaドラマ『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』桐谷健太さん演じる木原の巨大な目が「見てるで」と通行人に鋭い視線のOOHを掲出

「企業の理念や姿勢を伝える」ブランディング施策

ある結婚情報誌の広告では、JR渋谷駅前にさまざまなカップルの写真を掲出。その中には同性カップルも含まれており、「すべての人の幸せを応援する」というメッセージが込められていました。
販促要素を抑えたこの施策は、OOH広告ならではのリアルな接触と立ち止まって考えさせる力を活用したものです。通行人の目線の高さに合わせた設計など、細やかな配慮も成功要因といえます。

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OOHの効果的な実施方法

OOH広告の魅力や成功事例を踏まえ、実際に施策として展開する際に押さえておきたいポイントを整理します。

種類ごとの特性を理解し、目的に合った媒体を選ぶ

OOHには交通広告、屋外ビジョン、商業施設内の広告、アドトラックなど多様な媒体があります。それぞれ表示可能なコンテンツやターゲット層、費用感も異なるため、自社の広告目的や予算、訴求内容に合った媒体を選定することが大切です。

エリアに焦点を当てる

OOHは特定エリアに住む人や通勤・通学で定期的に訪れる人々への反復訴求が可能な広告です。ターゲットの行動圏や生活圏を分析し、エリアを限定して掲出することで、より効果的に広告メッセージを届けることができます。
たとえば若者層が多い渋谷や原宿、高所得層が多いエリアなど、エリア特性と自社のターゲットを照らし合わせながら選定するとよいでしょう。

掲出環境を調査した上でクリエイティブを展開する

OOHは掲出される環境によって見られ方が大きく変わります。掲出場所の視認性、導線、周囲の看板状況、通行人の速度などを事前に調査し、それに合わせたクリエイティブを設計しましょう。
特に駅構内や商業施設などでは、通行人の目線の高さや滞在時間を意識した設計が求められます。複数の媒体を組み合わせて掲出する場合は、視覚的な統一感も考慮しましょう。

OOHのトレンド

OOHは近年、急速に進化を遂げています。そこで今、注目を集めるトレンドをご紹介します。

DOOH(デジタル屋外広告)

DOOHとは、「Digital Out of Home」の略称で、OOH(屋外広告)のデジタル版を指します。ビル外壁の大型ビジョンや駅構内のデジタルサイネージ、電車内の車内ビジョンなどが代表的な例です。
近年では、DOOHの表示機能に加えて、外部データとの連携や出稿の自動化を取り入れた高度な広告運用が注目されています。ただし、これらはDOOH単体では完結せず、外部システムとの連携が必要です。
たとえば、天気や時間帯、周辺イベントの情報に応じて表示内容を変える「ダイナミックDOOH」では、リアルタイムでターゲットに合った訴求が可能です。また、広告枠の購入や配信を自動化する「プログラマティックDOOH」では、広告主側がより柔軟に運用できるようになります。
このように、DOOHの進化形には複数の仕組みが存在し、それぞれの機能や目的は異なります。導入や活用にあたっては、その違いを理解した上で、目的に応じた選定が求められます。

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DOOH(デジタル屋外広告)とは?仕組みからメリット、導入時のポイントまで解説!

SNSとの相乗効果をねらう

OOHはリアルな場での体験ができる媒体として、SNSとの相性が良い点も特長です。インパクトあるビジュアルや思わず写真を撮りたくなるような仕掛けを施すことで、ユーザーによる自発的な投稿やシェアを促し、話題拡散を狙うことができます。
SNS広告やWeb施策と連携したオムニチャネル展開も主流になりつつあり、オンラインとオフラインの両面から消費者接点を広げる施策が有効です。

位置情報データによる効果測定の促進

OOHはWebサイトのアクセス履歴のように確実に「誰がいつ見た」といった情報を取得できないのが課題ですが、近年は従来のアンケート調査に加え、スマートフォンなどを通じて取得した通行人の位置情報データによる効果測定も進んでいます。

まとめ

OOHは、屋外広告や交通広告として、リアルな場での強い印象や体験を提供できるメディアです。種類が多様で、目的やターゲットに応じて使い分けることで、より高い効果が期待できます。
成功事例に見られるように、OOHは単なる広告掲出にとどまらず、生活導線に溶け込ませたり、SNSとの相乗効果を狙ったり、地域特性に合わせて展開することが重要です。また、近年では、状況に応じた表示切り替えや効果測定の手法も進化しており、より柔軟なマーケティング戦略の一環として活用できます。

アドターミナルでは、交通広告をはじめとするOOH全般のご相談も承っています。具体的な媒体の選定や企画立案にお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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