知る・学ぶ/コラムキリンビール│「晴れ風」のプロモーション。都内各所で複数回の大規模展開

2024.10.09

キリンビール㈱(本社東京、堀口英樹社長)は3月から7月にかけ、新ビールブランド「晴れ風」のプロモーションとして、新宿・渋谷・品川ほか都内各所に交通広告を連続して大規模展開した。

この商品は3月にブランドを発表。商品名をモデル4人の後ろに隠したデザインで1週間掲出後、翌週は「晴れ風」の名称とビール缶デザインを大きく見せる画像に切り替えるティザー広告の形式で発表した。
 モデルを務める4人は芸能人の内村光良さん、天海祐希さん、目黒蓮さん、今田美桜さん。人物選定には〝信頼できる人〟というイメージが決め手となったという。
 現在ビールの主な購入層は40~60代のため、この訴求として内村さんと天海さんを抜擢。若者の中でまだビールを嗜まない層に向けて、共感性の高い年齢層である目黒さんと今田さんを選んだ。
 「キリンで狭義ビールにおける新ブランドの発売は17年ぶり。ビールには珍しい色合いのデザイン、和風な名称などチャレンジ性も富み、大きく広告展開を企画した。ティザー広告の形態をとったのも、ユーザーの関心を高め、共に楽しみにしてほしかった」。(担当者)
 広告制作で苦労したのは、ファンから「晴れ風ブルー」と呼ばれる背景色の色校。出力した素材により微妙に色合いが変わってブランドイメージの統一感を損なわないよう、綿密なチェックが重ねられたという。
 当初の予定では夏にビジュアルを変更して再度プロモーションをかける予定だったが、第1弾段階ですでに反響が非常に大きく、急きょ新しいクリエイティブを制作。6月1~17日にかけ、モデル4人がそれぞれのキャラクター性に合わせ、「ありがとっ。」「ありがたいねぇ。」とお礼を述べるデザインで掲出した。

 7月12日からはモデル4人が浴衣に衣装替え。都内各所に様々なOOHが並んだ。
 また27~28日には同ビジュアルで、渋谷ヒカリエ1階エントランスでポップアップイベントも開催。モデル4人の全身を印刷した約2.5メートル の巨大「晴れ風缶」を設置にしたフォトスポットや、ノベルティー配布などを実施した。渋谷スクランブルスクエアへの通路から見下ろすこともできる絶好のロケーションに、2日間で合計2.5万人が訪れた。

 「『晴れ風』の名前には、晴れた空の下で風に吹かれながら飲むような気持ちのいいおいしさで、お客様にも世の中にもいい風が吹いてほしい、という願いが込められている。夏のデザインでは背景をベタ一色にせず、短冊のような調子をつけ、風が吹いている様子を表現したり、イベント会場は風鈴の装飾で涼を感じられるようにしたり、皆さんに良い風が吹くようなクリエイティブを目指した」。(同)

 

※本記事は『総合報道』2024年9月5日・15日合併号に掲載されたものです

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