事例コラム 交通広告は“聖地”をつくれるのか|『ジョジョ』駅ジャック施策を分析
駅広告
2026.05.25
㈱集英社(本社東京、廣野眞一社長)は2023年2月、渋谷駅と原宿駅、新宿駅で、『ジョジョの奇妙な冒険』第9部『The JOJOLands(ザ・ジョジョランズ)』の交通広告を掲出した。 これは、同作品が同社の漫画誌「ウルトラジャンプ」2023年3月特大号から連載開始になることを告知するもの。前作(第8部)の完結からおよそ1年半。原作ファンに向け、「いよいよJOJOの第9部が始まる」とインパクトある広告で話題化させることを狙った。
壮大なストーリー展開が人気の『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの魅力を引き出すため、渋谷と新宿は、物理的に大きな媒体を選定。原宿は、同シリーズの魅力の一つである「人間の精神力の強さ」を表現するため、物理的にも精神的にも世界観に浸れるような、クローズド感のある媒体を選んだという。
クリエイティブは、それぞれの媒体特性に合わせて開発しながら、共通テーマとして作品に由来する「時は動き出す」(JOJO再始動)を置いた。
渋谷では約W30mの媒体を生かし、JOJOの歴史を歩きながら体験できる『巨大JOJO絵巻』を制作。これまで作品に出てきたほぼ全員となる、1000人弱のキャラクターを右端から登場順に並べ、最後にはまだ見ぬ第9部のキャラを配置した。
原宿では360度囲まれた階段媒体を『歴代JOJOトンネル』に。渋谷はモノクロだったが、原宿はJOJO独特の鮮やかな色彩がファッション・ポップカルチャーの街に合うとカラーにした。また、階段部分には原作のワンシーンを再現し、フォトスポットとして強化を図った。

新宿駅ではW約45mのサイネージで『JOJOカウントアップ』を実施。第1部から第8部までを一気に振り返り、「壮大な物語の最高潮が始まる予感」を演出した。加えて、『JOJO予知広告』を制作。セリフや擬音の文字をつなげると「主人公の名前はジョディオ・ジョースター、新たな舞台はハワイだ」という仕掛けを施した。この2本の動画がループし続ける映像媒体として、飽きさせない広告を目指した。

連載開始号の売れ行きは好調で、特に東京では発売3日で実売90%超、5日後には「ウルトラジャンプ」として創刊以来4度目となる重版を決定した。
「3媒体とも〝期間限定のファンの聖地〟になった。SNSで数多くシェアされ、海外のファンやJOJOを読んだことのない人たちの間でも話題化。制作サイドとしても、特に渋谷の『巨大JOJO絵巻』ではキャラのセレクトや切り抜き、デザインに苦労したが、想定以上のファンの来訪により急きょ警備員を立たせる必要があったほど。情報拡散され、報われた仕事だった」。(担当者)
掲出期間は渋谷駅、原宿駅が13日〜19日、新宿駅が20日〜26日。企画は㈱博報堂、SIX INC.、デザインは㈱博報堂、Age Global Networks㈱、新宿の映像製作はヘッドラインが担当した。
各駅の出稿媒体は左記の通り。
【渋谷駅】東京メトロ地下鉄半蔵門線渋谷駅 B2F改札外通路メトロプレミアムセット
【原宿駅】JR東日本原宿駅 集中貼り
【新宿駅】新宿ウォール456、J・ADビジョン新宿東西自由通路
※本記事は『総合報道』2023年3月15日号に掲載されたものです



