事例コラム 交通広告が“本を売る導線”に|書泉『堕天使拷問刑』復刊プロモーション
電車広告
2026.05.25
㈱書泉(本社東京、手林大輔社長)は9月27日から10月3日にかけ、JR高田馬場駅構内に、『堕天使拷問刑』復刊企画の交通広告を掲出した。 同社が運営する芳林堂書店高田馬場店は今年3月にも、作家2人の協力を得たオリジナル掌編小説を交通広告として掲出している【本紙23年5月25日号で既報】。小説の冒頭テキストを掲載し、続きが気になる人間を書店に呼び込む仕掛けは、掌編小説企画と同様だ。
「レイアウトはあえて寄せている。同じ場所に似たデザインで掲出し続けることで、書店の存在が認知され『またあの書店が面白い企画を立てている』とすぐに気付いてもらえるようになりたい。また、新宿・渋谷などに掲出すれば大きく話題になるが、それよりも地元で話題になることが大事だったので、設置場所は自然と高田馬場駅が第一候補に挙がった」。(手林社長)
同氏が代表に就任してから、書泉は広報の強化に取り組み、その一環としてOOHにも力を入れ始めたところだ。地元の本屋として認知されると同時に、インターネットで話題に上がれば、高田馬場駅に訪れることのない人間でもオンラインショップへ誘導できる。
『堕天使拷問刑』は飛鳥部勝則さん著作、2008年刊行のミステリー小説。長らく重版されておらず、市場には高騰した古書しか流通していなかった。
「書籍の復刊というものは難易度が高い。少部数の重版では赤字になり、刷りすぎると在庫を抱え、出版社は当然重版に慎重になる。3年前にも復刊を打診したが、実現に至れなかった」―。企画の発起人である、芳林堂書店高田馬場店 山本善之店長は語る。
企画が再始動した背景には、同社が今年3月、『中世への旅 騎士と城』を買い取りで300冊再重版し完売させたという実績作りがある。同書籍はSNSを中心に口コミで話題になり、今や3冊シリーズ累計で3万冊まで重版される異例のヒットを記録。書泉はその後も「書泉と、10冊」と題した復刊企画を続投し、『堕天使拷問刑』はその第3弾目の作品となった。
予約は9月30日締め切りを予定していたが、予約数3000冊を突破する好評につき、10月5日まで延長された。残り7冊の企画も順調に進行中だが、「企画名通り10冊に限定するつもりもない。いつか出版社側から復刊企画の誘いが来るまで成長させたい」と、企画者2人は目標を語った。
※本記事は『総合報道』2023年10月5日・15日合併号に掲載されたものです
