事例コラム 広告審査を逆手にSNS拡散|『ザ・ファブル』交通広告が話題化した理由

屋外広告駅広告

2026.05.25

 ㈱講談社(本社東京、野間省伸社長)は2022年11月、漫画『ザ・ファブル The second contact』5巻の発売を記念し、作品の舞台である大阪各所に広告を掲出した。

第1弾は11月7日から13日まで、主人公である凄腕の殺し屋・佐藤明が持つ「拳銃」が「サンマ」に置き換わったグラフィックを出稿。「※広告規制により、サンマを持たされています。」のコピーを添え、吹き出しの内容も「コンプライアンスだ—」、「そうだ—、プロはサンマでも宣伝できる—」など広告と絡めたセリフにした。

第2弾は11月14日から20日(一部30日)まで、2パターンを展開。1つ目は「ザ・パープル」や「ザ・ファーブル」などタイトルが駄じゃれになり、最後に「正しくはザ・ファブル」と紹介するもの。もう1つが、実写の人物が「これは将来、古典になる名作かもしらんで。読んでないけど—」などと街頭インタビュー風にコメントするもの。

Twitterでは第1弾の掲出時から反響が大きく、広告に言及するツイートが約2900件あり、中には約4万〜6.5万いいねが寄せられる投稿も複数あった(編集部調べ)。

交通広告は出稿前の原稿審査を要し、暴力的・反社会的な内容やみだらな表現などが無いか鉄道各社の基準でチェックされる。これを逆手に取ったような今回のデザインについて、講談社の担当者は「銃を別のものに置き換える構想は、複数上がった案の1つ。バナナなどの案もあったが、作品との親和性(※主人公の好物がサンマ)と季節感から選んだ」とコメント。なお広告の一部では、キャラクターたちが拳銃を持った5巻の書影をそのまま使用しているが、これについては「書影であることや銃口がこちらに向いていないことが考えられるが、審査基準は分かりかねる」と回答。また掲出後の反響については、「編集部も作者の南勝久氏も『面白い』と思って制作したので、多くの人に楽しんでもらえて良かった」と話した。

 

※本記事は『総合報道』2022年12月5日号に掲載されたものです

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