事例コラム 小学館『トリリオンゲーム』の“ハッタリ広告”がSNSで拡散した理由
駅広告
2026.05.25
㈱小学館(本社東京、相賀信宏社長)は2023年7月、漫画『トリリオンゲーム』の主人公・ハルが現実の大企業に得意のハッタリをかます挑戦状広告を都内各所の駅に掲出した。 これは、7月12日に発売された漫画最新第7集をPRするもの。同月14日からTBS系列で放送開始した目黒蓮さん主演ドラマが話題になると考え、同じタイミングで原作を周知することを目的に企画された。担当者は「TBS側と事前に話すなど意識したが、運良く時期を合わせ、プロモーションすることができた」と語る。
『トリリオンゲーム』は、スタートアップIT企業を立ち上げた主人公たちが、ハッタリと確かな技術で成り上がっていく作品。ハルの大胆な性格や言動が作品の魅力の一つとなる。
交通広告の企画、デザインを担当した㈱博報堂による「ハルが現実の企業に対して得意のハッタリを使ってあおる」というアイデアを採用し、作品の特徴を表現。デザインは全体として、作中に登場する「I’ll take you all」の描き文字を引用し「作中でハルがドラゴンバンクにあおるシーンを現実に登場させる」という企画のコンセプトを表した。
また掲出場所は、作品にゆかりのある駅を選定、それぞれ異なるデザインを展開した。
渋谷駅の広告は、漫画を監修している㈱サイバーエージェント(CA)の藤田晋社長に広告概要とともに提案、承諾を得た。CAが近い同駅でハルからの挑戦状に対し、CAから返答があるバトル広告を展開した。一方向からではなく、あおった対象からあおり返されるという構図になっている。

神保町駅は、原作・稲垣理一郎氏の別作品を想起させる駅。原作者が同じ漫画にハルが宣戦布告する内容で「わかるひとはわかる」コピーにし、ファンの間での盛り上がりを狙った。また、人流的要素を加味して新宿駅にも展開した。
赤坂駅の広告は、TBSの最寄り駅で、今期の覇権取りを宣言。ドラマの盛り上げに寄与するよう意識した。
さらにIT企業が集中する二子玉川駅・品川駅・赤坂見附駅で、IT業界でのトップ奪取を宣言するコピーを掲出。間接的にITスタートアップの話であることの認知拡大を図った。


掲出後、稲垣氏や作画・池上遼一氏、藤田社長やドラマ公式が各広告をツイート。合計6.1万いいね/1万305RT/608万impを獲得した。
「作品を考慮したハッタリ(あおり)のレベル調整は慎重に行った。同作品は、ワルい手も臆さず使うシーンは出てくるが、特定の企業だったり個人だったりをおとしめるような表現は一切していないので、広告でもそこは慎重に博報堂とすり合わせた」。(担当者)
※本記事は『総合報道』2023年8月5日号に掲載されたものです




